昔の記憶

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谷川俊太郎

小学生の時、国語の教科書に出てきた。

まだ小さかった私は赤いランドセルにいれて

その教科書を運んでた。

 

学校と家の往復。

今なら10分もかからないのに

あの頃は家がものすごく遠くに感じてた、特に帰りが。

学校の目の前の家に住んでる子を羨ましく思った。

今でも好きな雑木林、あれはきっとブナやコナラ。

青々と生い茂った葉っぱのトンネル。

春になると控えめだけどお上品な色をした櫻の木。

ウサギ小屋。

理科室と図工室は影の暗い所にあって

怖い話が流行ってたから

一人で通るときは

なぜだか不気味に感じて早歩き。

階段を上る音が響く。

一段飛ばしで足早に。

準備室にあるモナリザと目があいそうで

そらしてた。

ブランコ。休み時間のチャイムが鳴ると争奪戦。

鉄棒。補助台がないと逆上がりはできなくて。

結局、今でもできないまま。

そうだ私は運動音痴。

豚の丸焼き、こうもり、足掛け回り。

こんな技あったよね。

だけどうんていは得意だったよ。

サルみたいにテンポよく2こ飛ばしで進んでいく。

熱中した後は手が鉄臭くて、マメができた。

でも高学年になると雲梯が小さくなって

いや、私の背丈が伸びて足が地面についちゃった。

シーソーで、思いっきり地面をけってふわっと浮く感覚。

思い返せばタワーおぶてらーに似ていたな。

下にいる子が急に降りた。

上にいた私はドスンと落ちた。

尾てい骨にぐわんぐわん鈍く響く。

ジャングルジム。

字にするとなんか不思議だね。

ウルトラマンのまねをして

てっぺんから飛び降りて骨折した子がいたっけ一番上まで行くと

足がすくんだ。

といえば、あれは...何て名前だっけ。

鎖で網目みたいに繋がれた上っていく遊具。おそいんだ

くさり、て呼んでたっけ。

みんなで上るとゆらゆら揺れて上手く上まで行けなかった。

 

あの時は、あの校舎の中が私の

世界で

社会で

居場所で

純粋に無邪気にいれてたのかな。

 

 

そんなことをこの詩を見たら走馬灯のように

記憶が私の脳ミソの忘れ去られていた

机の引き出しのめったに使わないようなところから

湧き出るように蘇ったんだ。

 

そして今日はこの本たちを読んだ。

 

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詩って小説やエッセイを読む時とは違った速さで

頭の中に入ってくる。

遅いんだ、薬缶の水を弱火で温める時みたいに

底のほうで沸々と文字がイメージとなって湧き出てくる。

何年ぶりだか分からないとにかく久しい詩集は

谷川俊太郎さんの言葉を借りて表すなら

「工芸品」だった。

本であり、

その詩を表現するために

文字を印刷する紙、表紙、大きさ、字体、帯、デザイン。

細部にまでこだわり抜いた作品だ。

 

そして好きな詩が増えた。

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さあ10月もたくさん本を読もう。